甲飛喇叭隊 News Letter 第42号
2019年4月6日 発行
 みなさんおはようございます、甲飛喇叭隊です。

 冬の再来かと思うほどの冷え込みの影響もあり、満開の桜が長く楽しめる平成最後の春となりました。 次の御代、令和の春も今から待ち遠しいですね。

 さて来たる4月14日、我々甲飛喇叭隊は、神奈川県江の島にある児玉神社にて催行される「28センチ榴弾砲 砲弾展示台座 完成除幕式(※終了)」にご奉仕いたします。 当日は、事前受付されていない方は式典中は遥拝のみ。式典終了後からはどなたでも砲弾をご覧いただく事ができるそうです。我が国を守った砲弾をどうぞ見にいらしてください。


【お知らせ】
前回のNews Letterでお知らせしました通り、過ぎる4月1日、甲飛喇叭隊 第十一分隊は甲飛喇叭隊(予科練出身者による)と合併し、甲飛喇叭隊に名称変更しました事をご報告いたします。これを機に改めて襟を正し益々の研鑽を重ねてまいりますので、ご指導ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願いいたします。
<要塞の街散歩 その2>


 さて、本題の要塞地帯お散歩を。
函館山は終戦まで「要塞地帯法」に守られ一般人の入山は出来ませんでした。そのおかげで野生動物のサンクチュアリになっています。クマこそいませんが、北海道らしい動植物の宝庫となっています。山頂までは高尾山に比べたらラクラクのハイキングコースなのですが、マムシにご注意を! 一般人の入山を阻止するために陸軍が放ったマムシの子孫とされています。お時間があったらオススメです。お弁当は名物「ハセガワストア」の焼き鳥弁当(北海道の場合「焼き鳥」といえば、それはなぜか「豚の精肉」です)「ラッキーピエロ」のハンバーガーなどお勧めですよ。
地元の名所を案内しだしたらキリがないのでちょっと絞りますね。


◎函館護国神社
ロープウエイターミナル横です。母の話ですが戦時中は神社の前の坂を婦女子が横切るのはもってのほかだったとか。 函館空襲で果敢に米艦載機と戦った駆逐艦「橘」鎮魂の碑、戊辰戦争、新政府軍の墓があります。

◎谷地頭(やちがしら)温泉周辺
元々市の水道局の運営でしたが、数年前に民間の温泉になりました。鉄分たっぷりの茶色く塩辛いお湯が特徴です。函館山ハイキングの後には是非。
近くには路面電車のターミナルがあります。映画・TVドラマで坂を下る路面電車のシーンを観た方も多いと思います。その「停車場」の横に「小西商店」という小さな酒屋があるのですが看板に赤く「酒保」と書かれています。昔は立ち飲みもできたと思うのですが、風呂上りにここで缶ビールでも。要塞司令部の酒保でした。
観光名所が集中する函館山の麓を散歩していると、たまに古いコンクリートの標柱を見かけることがあります。「陸軍省」や「要塞第一地帯」と書かれています。要塞の名残です。探してみてくださいね。

◎船魂(ふなだま)神社
坂の街、函館。多数ある坂のひとつ「日和坂」を登りつめたところに鎮座します。北海道最古の神社とされ、ここには義経がのどの渇きを潤した湧き水があったようです。境内には小さな池があるのですがその横に砲弾が2つ「埋まって」います。先端部分だけが露出して見た目はおおきなドングリなのですが、大きい方が函館要塞28cm榴弾砲の砲弾です。函館要塞から28cm榴弾砲を撤去した時に陸軍が記念に奉納したものだそうです。230kgもあるので長い年月のうちに自重で埋まったと思われます。喇叭隊では様々なご縁が重なり本年4月14日、江ノ島「兒玉神社」に28cm榴弾を奉納させていただくことになりました。今回のご奉納に関して、設置や維持の方法についてアドバイスをいただいたのがこちらの神社でした。

◎津軽要塞見学と函館夜景
さて見学・観光のメインです。本業が旅行業なので地元民&プロとしてオススメのコースを。
設定時期は北海道観光のベスト、6月中旬で天候は晴れ、日没が19:30頃とします。
近くの「ラッピ」(ラッキーピエロ地元民呼称)、「ハセスト」(ハセガワストア地元民呼称)の焼き鳥弁当、回転寿司(安い、美味い、ハズレがない)で早めの夕食を済ませてしまいます。


17:30 函館山ロープウエイで山頂駅へ。(この時期クルマで山頂を目指すのは全くお勧めしません)まだ明るいので観光客は少ないはずです。

17:50 山頂に着いたら、夜景観賞デッキと反対側、観光バスバスプール側に降ります。そこに小さな階段があるのでそれを下ります。津軽要塞遺構に向かいます。道路を渡ると大きな駐車場がありその先に「御殿山第二砲台跡」があります。28cm榴弾砲が6門設置されていました。最近まではターレット部の中心に円形のテーブルと、それを囲むようにサークル状のベンチがありピクニックエリアになっていました。砲の大きさをイメージしましょう。あの重量物(特に砲弾は奉納計画の輸送にかかわったのでよくわかります)をどうやって山頂まで運んだのだろう?

 横須賀の「猿島」を見学したことがあるなら既視感を覚えると思います。
 その先に観測所跡(と思われる)東屋があり、津軽海峡を一望できます。快晴なら青森側(大間崎)、光の具合によっては岩木山も見ることが出来ます。ロシア艦隊の通過を緊張しながら見た場所かもしれません。
 体力があれば尾根伝いの道を進み「千畳敷砲台」跡まで是非。戦闘指令所跡も見学できます。

道路から外れたところにも要塞遺構は点在するのですが例のマムシの件もあり、お勧めしません。
 さて、日が傾いてきました。来た道をひたすら戻り、函館山山頂へ。

19:15くらいまでに展望デッキに行きましょう。まだ明るいですが、日が沈んでからがお勧めです。夕日に照らされた淡く赤く染まる駒ヶ岳も望むことができます。街の灯が灯り始め、夜景が輝きを増します。そして完全に暗くなって「百万ドルの夜景」は完成します。
 函館人のデートの定番でもあります。
観光客が山頂に殺到しはじめた頃、余裕でロープウエイで街に降り、飲みにいきましょう。


>>1/2はこちら